「レース回想」

 試走の段階でかなりトーンダウンしてしまいましたので、スタートは後ろの方に並んだつもりだったのですが、後から後からどんどん人が湧いてきて、気がついてみるとちょうど真ん中あたりになってしまっていました。どんなレースにも必ずこういう人がいるのですが、後からやってきたくせに人の間を縫って前の方まで移動していく選手が多数いました。あのなあ、前でスタートしたいのならもっと早く来いよ! その後セレモニーがありましたが、私の場所からは何が起こっているのかさっぱりわかりませんでした。それに今回は音響の声が非常に聞き取りにくかったです。まあ広い会場ですからある程度は仕方がないことなのでしょうが。
 予定どおり10時ちょうどにスタートしました。序盤は人が多いので周囲の流れに乗るしかありませんが、私の前の方の人がかなりゆっくり流しているため他の人にどんどん抜き去られてしまいました。まあ1周目からあせらなくてもいいのですが、あまりにもゆっくり過ぎるため1周目の途中で追い越してしまいました。本当は追い越し禁止なんですけどね。(笑)
 レース中の話をする前に、このレースの会場である富士スピードウェイの説明をしておきます。いつもの写真とエッジ705の高低図は下記のとおりです。私が1番きつかったのはダンロップカーブからの上り坂でした。勾配もきついのですがそれ以上に坂の長さがきつかったです。その後の2つの上り坂は距離が短いので意外と楽でした。とはいえ、しっかりスピードは落ちていましたけど。(笑) 2番目にきつかったのはヘアピン前の上り坂でした。ここは他の人のブログ等では「前の下り坂の勢いで一気に行ける」と書かれていることが多かったので甘く見ていましたが、けっこう地味に疲れてしまいました。アウタートップでごいごい踏み込んでいくことができればそのとおりなのですが、そんなことができるのは最初の方だけで途中からはミドル、時にはインナーにまで入れてしまう有様でした。


 1周目は前述のとおりノンビリペースで10分15秒ほどでしたが、2周目以降はなんとビックリの8分台*1、4周目以降は9分台に落ちてしまいましたがしばらくの間は10分台に落ちることなく走り続けることができました。
 1時間30分ほど経った頃から雨が降り出しました。それまでも時折パラついてはいたのですが、ここからはほとんど止まずに降り続くことになってしまいました。2時間経過時点ではジャージもまだそれほど濡れてはいなかったものの、かなり寒い状態なので下手に休憩すると体が動かなくなってしまう可能性が高いと思い、タイムが落ち込むか飲食物がなくなるまではとりあえず走り続ける作戦に切り替えました。
 15周目でついに10分台に突入してしまい、その後も巻き返すことなくズルズルとタイムが落ちてきました。どこかでピットインして休憩しようとは思ったのですが、この時点では既に全身ずぶ濡れの上にみぞれ混じりの雨まで降る有様。こんな状態で休憩しても回復できるとは思えませんし、着替えもインナーシャツしか持っていませんでしたので「こうなったら行けるところまで行くしかない。ピットインする時は棄権する時だ。」と無理矢理走り続けました。
 もう少しで3時間になろうという時、なにやら放送が始まりました。悪天候のためレース時間が午後2時までの4時間に短縮されることになったのです。この知らせには正直かなりガッカリしてしまいました。19周目には左目のコンタクトレンズが外れるアクシデントがあったりしてその後もペースはたいして上がらず、21周目を終えた時点でとうとう1周平均タイムが10分を超えてしまいました。走りながら「このままのペースで行くと時間内に走れるのは23周か。なんだか中途半端な数で嫌だなあ。」などと考えていましたが、22周目も10分を切れず、もはやこれまでかと諦めかけていました。
 と、そこにちょうどいいペースで走っている4人組のチームが現れたのです。これ幸いとさっそく後に張り付いてみたところ、これがまた実にいいペース。上りも下りもほぼ私と同レベルな感じで実に走りやすかったです。彼らのおかげで23周目は久しぶりに9分台に戻すことができ、この時点の残り時間は9分43秒。こうなるともう俄然燃えてきてしまい、24周目は最初からガンガンアタックをかけてしまいました。その分最後の直線ではえらいことになってしまいましたが、それでもこの日2番目に早いタイムで見事24周を達成することができました。ちなみに優勝者は34周もしたそうです。まあ上り坂でもものすごい勢いで走っていましたからねえ。

 レースが終わって片付けを始めたのですが、全身ずぶ濡れでガタガタ震えが来ている上に腰が痛くてしゃがめない状態で、着替えをするまでは本当にこのまま死ぬかもしれないと思いました。それでも何とか片付けを終え、ラーメンとコロッケを食べた頃にはようやく震えが止まっていました。表彰式は当然関係ありませんので失礼させてもらい一路ホテルへ。そして先ほど風呂に入ってようやく完全復活することができました。いや、本当に2泊にして正解でしたよ。あの状態で7時間運転なんてできるわけがありませんから。

*1:「私にとっては」の話です。念のため。