「ヘルメットはかぶった方がいいと思います」

 自転車に乗っている人を見かけることはよくありますが、ヘルメットをかぶっている人を見かけることは滅多にありません。小さい子どもや自転車通学の中学生、休日にサイクルジャージを着てロードレーサーに乗っている人くらいですかね。まあ日本で乗られている自転車の大半はいわゆるママチャリですし、走行距離も近距離の場合がほとんどですからあまり必要性を感じていないのかもしれません。でも、個人的には自転車に乗る時はヘルメットをかぶった方がいいと思います。というか、少なくとも軟式野球の打者用ヘルメットよりは必要性が高いと考えています。
 「ママチャリでゆっくり歩道を走っているだけなんだからヘルメットなんか必要ないでしょう」という人もいると思いますが、本当にそうでしょうか? ゆっくり走っているといったって、時速十数kmくらいは出ているものです。これは車でいうとものすごく遅いスピードですが、人間が走るスピードとするとけっこう速いといえます。そこそこ速い駅伝ランナーのペースとしてよく1km3分と言われますが、このペースは時速だと18km/hということになります。そういうスピードより少し遅い程度なのですから、けして遅いとは言えないでしょう。
 また、歩道だから安全というのは本当でしょうか? 個人的には車道よりも歩道の方がかなり危険だと思っています。なにせ人も自転車も好き勝手に動き回っていますし、けっこう大きな段差がそこらじゅうにありますし、アーケードの柱や花壇のレンガブロックや放置自転車などの障害物も多いですし、タイル舗装の路面は雨が降ったらツルツル滑りますし、傘差し運転の自転車や携帯を使用しながらの運転も多いし…。こうして書き出してみると、本当に無法地帯に近いものがありますね。(笑) 実際の話、私が過去落車した場所はすべて歩道(または車道と歩道の境目)ですし、全国的に見ても自転車の事故が起こっているのは車道よりも歩道の方が多いのです。そういうことを考えると、たとえママチャリでも、走行距離が少なかろうとも、歩道走行であろうとも、ヘルメットはかぶっておいた方がいいと思います。
 ヘルメットを嫌がる人の意見として、「ヘルメットをかぶると格好悪い」というのが多いようです。これははっきり言って慣れの問題です。2〜3回かぶっていればすぐに慣れてしまいます。実際に試してみればすぐにわかりますが、ヘルメットをかぶっていても他の人は誰もそんなことなんて見ていませんし、仮に見たとしても格好悪いなんて思いません。もしそう思うことがあったとしたら、それはあなた(私)の外見が格好悪いからであって、けしてヘルメットのせいではありません。こんなことを言ってしまうと身も蓋もないんですけどね。(笑) それに、最近はけっこう格好のいいヘルメットもありますよ。まあそういうヘルメットはけっこう価格が高かったりするものですが。(笑)
 まあそんなこんなで、やっぱり安全性を考えるとヘルメットはかぶっておいた方がいいと思います。交通安全標語で「注意一秒怪我一生」というのがありますが、頭ぶつけて脳に障害が残ったりしたら本当に大変です。腕や足の骨折みたいに手術で治すってわけにもいきませんしね。見かけや面倒臭さなんかより安全性を優先させた方がいいのではないかと思います。